*2018年8月更新*
中学生の新聞作りも、小学生とまったく同じです。
違いは、紙面の段数が増えて記事の分量(字数)が多くなっているだけ。
あとはテーマのとらえ方が広がっている点でしょうか。
新聞作りの手順は同じなので、楽しく取り組みましょう。
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新聞作りの手順は、大きく分けて次の3ステップです。
- 準備:企画と取材
- 記事を書く
- 清書と校正、印刷
では、順番に見ていきましょう。
1.準備:企画と取材
新聞作りは、いきなり記事を書き始めるわけにはいきません。
事前にしっかりと準備が必要です。
ここが出来てしまうと、あとはスケジュール通りにやるだけなので楽ちん。
グループで新聞を作る場合には、この部分が「企画(会議)」になります。
新聞作りの骨組みです。
- ①誰に読んでもらうかを考える
- ②新聞のテーマを決める
- ③新聞の題名を決める
- ④記事の内容(テーマの掘り下げ方)と取材方法を考える
- ⑤仮割付をする
- ⑥作業のスケジュールを決める
- ⑦取材する
①誰に読んでもらうかを考える
まず、読者が誰なのかをはっきりさせましょう。
- 特定の個人に宛てる
- クラスのみんなに読んでもらう
- 学年全体に読んでもらう
- 学校全体に読んでもらう
- 保護者や近隣住民にも読んでもらう
この他に取材に協力してくれた方々や、コンクール等への応募もあるでしょう。
②新聞のテーマを考える
ここが大切です。
その新聞は、読者に何を伝えるのか。
新聞には歴史新聞やわが町新聞など、さまざまな種類があります。
先に新聞の種類を決めて、その特徴に合ったテーマを選ぶ場合もOKです。
自分で好きなテーマを決めてから、どんな新聞にするかを考えるのもよいでしょう。
- 自分の好きな事
- 得意な事
- 興味がある事
- 世の中で注目されている事
- 疑問に思っている事
- もっと詳しく知りたい事
- ワクワク楽しい事
- 不思議な事
- 新しくわかった事
新聞のコンクールでは、課題と自由作品があります。
このようなコンクールの課題を参考にしてもよいでしょう。
楽しくテーマを探せるサイトもあります。
自由研究のテーマがもりだくさん!小学生・中学生をお持ちの保護者様向け<?php str_yasumi(); ?>の宿題解決策特集
③新聞の題名を考える
新聞にどんな名前をつけましょうか。
- テーマが伝わる言葉
- どんなテーマでも自由に記事を書ける便利な名前
- 親しみやすい名前(ニックネームや自己アピールなど)
このどれかになります。
何かを特集したり深く学習した結果を新聞で発表するなら、テーマ性のある名前がよいでしょう。
また、長期間継続して新聞を発行するような場合は、毎回違うテーマを取り上げてもいいように、テーマとは関係のない魅力的な名前を考えてください。
必ず「〇〇〇新聞」のように「新聞」をつけなくても大丈夫です。
5~7文字くらいにおさめましょう。
④記事の内容(テーマの掘り下げ方)と取材方法を考える
テーマが決まったら、どんな記事で内容を深めてゆくのかを考えます。
1つの新聞は、7~10くらいの記事で構成します。
- トップ記事
- セカンド記事
- サード記事
- タタミ
- カコミ
- 意見記事
- コラム
- 編集後記
それぞれの記事の取材方法を決めましょう。
- 図書館や本で調べる
- インターネットで検索する
- 専門家にインタビューする
- アンケート調査をする
- 専門施設を訪問して取材する
- 実際にやってみる(体験、観察、実験など)
- 新聞に使う資料を集める(写真、イラスト、新聞や雑誌の切り抜き、図表など)
⑤仮割付をする
重要な記事がトップ記事で、いちばんボリュームの多い記事になります。
記事の本文(文字)の合計が、紙面の50~60%におさまるようにレイアウトします。
- 縦書の新聞か横書きの新聞かを決める
- 何段組みで字詰め(1行の文字数)を何文字にするか決める:中学生は1段12字・36行・7段が標準的
- 割付用紙を準備する(ダウンロードや既製品の利用、Excelで自分で作るなど)
- 題字の位置を決める
- 題字下のスペースを決める
- ハコモノ(タタミ、カコミ)の位置を決める
- 編集後記のスペースを決める
- トップ記事の見出し、リード、資料と本文のスペースを決める
- その他の記事も同様に見出しと本文、資料の配置を決める
ここがワクワク楽しい作業ですね。
さあ、頑張りましょう!
既製品の割付用紙もあります。
厚手で清書にも使えますよ。
新聞レイアウト用紙B4 50枚 (A3サイズもあり)
⑥作業のスケジュールを決める
ここまで準備ができたら、あとは取材して記事を書くだけです。
個人製作の新聞の場合は、制作期間を1ヵ月前後を目安に設定してスケジュールを組んでみましょう。
何月何日の何時から何時までに、どの作業をするのかを決めます。
いつまでに、どこまでできていなければならないのか、目標をハッキリさせましょう。
Excelには「プロジェクトタイムライン」というスケジュール表のテンプレートがあります。
その他にも無料でダウンロードできるものがあります。
私はこんなふうにExcelでちまちまと作るのが好きです。
タイムスケジュールとは別に、このような「企画シート」があると作業の予定と進み具合が自己管理できます。
参考:学習新聞12カ月―子どもと教師のためのらくらく紙面づくり
この企画シートを中学生が応用するには、記事欄と作業予定を2枚に分けて使いましょう。
記事数が多くなるので1枚では書ききれません。
参考:GWは夏休みの自由研究の準備をしよう!【小学生が楽しめるラクラク計画作り】 - コミュニケーションBLOG
⑦取材する
- 図書館や本で調べる
- インターネットで検索する
- 専門家にインタビューする
- アンケート調査を行う
- 専門施設を訪問して取材する
- 新聞に使う資料(素材)を集める:写真、イラスト、新聞や雑誌の切り抜き、図表など)
各記事ごとに決めた取材方法で情報を集めて行きます。
同時に、写真撮影なども行いましょう。
インターネット検索の場合は、その情報が正しいかどうかの確認が必要です。
情報の出典や根拠を明確にしておきましょう。
インタビューやアンケート調査、施設取材については、こちらに詳しく説明しています。
▶【小学生新聞の作り方】書き方の徹底解説と便利なテンプレート
▶【子ども新聞にも使える】誰でも簡単 アンケート作成の基本と便利ツール
2.記事を書く
- ①イラストや写真、図表などを準備して実際に配置してみる
- ②見出しのスペースと記事の字数を再確認する
- ③記事の下書きをする
- ④見出しを考える
- ⑤リード(前文)を考える
①イラストや写真、図表などを準備して実際に配置してみる
写真や切り抜きは、大きさが合わなければ拡大/縮小コピーをして新聞に貼るサイズを調整します。
割付用紙に実際に置いてみて、記事のスペースを決めます。
まだ糊付けはしません。
このとき、罫線は鉛筆でサッと書いておくだけでOKです。罫線のための 1文字、1行分のスペースを確保しましょう。
②見出しのスペースと記事の字数を確認する
記事のスペースが決まったら、見出しやリードの位置(分量)を決めます。
残りのスペースの罫線を除いた字数を数えましょう。
③記事の下書きをする
数えた字数内におさまるように記事を下書きします。
自由な用紙に下書きしてもよいのですが、清書用の割付用紙に書いた方が、字数を数えるのに便利です。
割付用紙を切り取って利用してもよいですね。
「筆まめパーソナル編集長 Ver.12」を活用すると、簡単にレイアウトをいろいろ試すことができて下書きもスイスイできます。
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④見出しを考える
記事を書き終えたら、見出しを考えます。
それぞれの記事の内容で、もっとも重要な言葉(キーワード)を必ず入れてください。
見出しは、読者が「記事を読みたくなる」ワクワクするものにしましょう。
記事の内容の重要なポイントをズバリと表現するのです。
主見出し:8字(7~9字)もっとも重要な要素、内容
柱見出し:10字「〇〇について」のような全体の概要、テーマ
肩見出し:8~10字、内容の特色
袖見出し:10字(8~10字)主見出しの補足
中見出し:長い記事の本文中に入れる見出し(通常は2段見出し)
小見出し:記事の本文中に入れる1段見出し
見出しの考え方は、こちらの記事をご覧ください。
▶新聞の見出し作り 楽しい着眼点【これであなたも見出しのプロ】
見出しの楽しいレタリングのヒントは、こちら↓
⑤リード(前文)を考える
リードは、トップ記事に不可欠なものです。
主見出しでズバリと表現した重要なエッセンスを、もう少し詳しく説明します。
2~3行で簡潔にまとめましょう。
▶検索結果で差をつける!選ばれる魅力的なリード文の書き方【具体的な例文つき】
3.清書と校正、印刷
- ①全体の本割付を決める
- ②記事の字数の確認と調整(文章の手直し:編集)
- ③完成した下書きの校正
- ④清書(版下製作)
- ⑤試し刷り
- ⑥仕上げの校正
- ⑦印刷・発行
①全体の本割付を決める
記事や資料が準備できたら、実際の紙面で割り付けを決定します。
仮割付と同じ本割付の場合もあるし、調整して変更した本割付の場合もあります。
②記事の字数の確認と調整(文章の手直し:編集)
記事やリードが、本割付通りにきちんとおさまるかどうかをチェックしましょう。
合わない箇所があれば、おさまるように修正しましょう。
▶あなたの文章・記事のわかりやすさがグンと高まる書き方:6W2Hの設計図
レイアウトの基礎をしっかりおさえると応用のバリエーションが広がります。
理屈抜きで「基本的な理論」を楽しく学べる本は、新聞だけでなく学級だよりや広報、チラシ、ポスター、標語、何にでも応用できるすぐれもの。
③完成した下書きの校正
本割付通りの下書きが完成したら、校正しましょう。
誤字・脱字や助詞の使い方、句読点など細かく全体をチェックします。
④清書(版下製作)
新聞用紙に直接書き込みます。
または、分担した記事の清書を貼り合わせてもよいでしょう。
見出しやカット、グラフなどの図表は、別の白い紙に書いて貼ってもよいです。
- 本文の清書
- 題字まわりの清書
- 見出し作成
- 題字作成
- カットやグラフなどの図表作成
- 飾り罫をつける(手書き、コピーの切り貼り)
- 欄外を書く
- 段罫と外枠を書く
⑤仕上げの校正
一度試し刷り(コピー)をして、仕上げの最終校正をしましょう。
下書きのところでも十分チェックしていますが、間違いを見落としたところがないかどうか、もう一度厳しくチェックします。
ここで修正するところが見つかったら、清書した原本は触らずにコピーの方を修正します。
修正作業で、消し過ぎたり新たなミスが起こっては困るので、原本はそのままにしておきます。
文字やイラストなどの濃さに、バラつきがないかも確認します。
薄い文字があれば、コピーで濃く調整して合わせます。
イラストなどは、書き直しが必要な場合も出てくるでしょう。
⑥印刷・発行
コピーを修正した場合は、それが印刷の原本になります。
修正前の清書した版下は、印刷には使いません。
最終校正が終わった版下は、一度コピーして点検しましょう。
貼り合わせた部分に紙の陰ができていないか、細かな汚れがついていないか、大見出しの文字に間違いはないか、しっかりと点検しましょう。
コピーがきれいにとれていたら、本番の印刷です。
出来上がった新聞を配布したら完了です。
お疲れさまでした!
▶【小学生新聞の作り方】書き方の徹底解説と便利なテンプレート
▶新聞づくりの用語が全部わかるカンタン解説バイブル【小中学生新聞が得意になる】

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中学生になったら、より多くの情報や意見を盛り込んだ新聞づくりを楽しみましょう。
レイアウトの基礎をしっかりおさえると応用のバリエーションが広がります。
理屈抜きで「基本的な理論」を楽しく学べる本は、新聞だけでなく学級だよりや広報、チラシ、ポスター、標語、何にでも応用できるすぐれもの。
りょうこのつぶやきでした。
では、ごきげんよう。