人には五感が備わっています。その五感を場面や状況に合わせて使い分けて物事を理解し相手に伝えています。NLPでは「視覚」「聴覚」と、触覚・嗅覚・味覚を合わせて「体感覚」とした3つの感覚システムを、コミュニケーションに活用しています。
メインの感覚システムの見分け方
3つの感覚システムのうち、どの感覚システムが優位なのかに合わせてコミュニケーションを取りましょう。そのためには、どの感覚システムが優位なタイプなのかを見分けなければなりません。その方法をご紹介します。
- 話し方の特徴
- 使う言葉の特徴
話し方の特徴
- 「視覚」優位タイプ:映像を思い描きながら話す。早口で話が飛びやすい。
- 「聴覚」優位タイプ:論理的に筋道を立てて話す。耳やアゴに手をやることが多い。
- 「体感覚」優位タイプ:からだで感じながら話す。ゆっくりと噛みしめるように話す。
視覚タイプの人は、具体的な映像を思い浮かべて話します。映像は言葉よりも情報量が多いので、たくさんの情報を言葉で説明するために早口になります。視線は上を向くことが多く、映像のシーンによって話が飛ぶこともしばしばあります。「見える」「イメージ」というような視覚に関する表現を使い、手振りでそのイメージを伝えようとします。
聴覚タイプの人は、ひとつひとつの言葉を大事にしています。視線は横を向くことが多く、耳やアゴなどに手をやることが多くなります。理論立てて話すのが特徴です。「聞こえる」「リズム」のような聴覚に関する表現を好みます。
体感覚タイプの人は、からだで感じながら話します。感情が豊かでゆっくりと話すのが特徴で、間隔を表現する手振りが多くなります。「感じる」「感覚」というような体感覚に関する表現を好みます。
使う言葉の特徴
優位になる感覚システムによって違う使い方をされる言葉のことを「叙述語」(じょじゅつご)といいます。3つのタイプによって、次のような特徴があります。
「視覚タイプ」
見る、描く、映す、目に入る、注目する、観察する、照らす、反映する、イメージ、見通し、視野、ビジョン、先行き、右肩上がり、見解、場面、明るい、大きい、鮮明な、まぶしい、遠い、キラキラ、ピカピカ
「聴覚タイプ」
聞く、言う、説明する、論じる、呼ぶ、耳にする、響く、テンポ、リズム、ハーモニー、声、音、発言、雑音、うるさい、騒がしい、静かな、リズミカルな、単調な、(声・音などが)大きい、シーンとした、ガヤガヤ、ざわざわ、どたばた
「体感覚タイプ」
感じる、触る、押す、緊張する、安心する、腑に落ちる、頭に入る、感覚、気持ち、味、香り、温度、プレッシャー、緊張、重い、温かい、つかみどころがない、おいしい、しっくりくる、きつい、ずっしり、ソフトな、ふわふわ、イライラ
あなたの感覚タイプは?
では、あなたは相手からどの感覚タイプだと思われているでしょうか?それがわかっていると、相手に合わせるときに自分はどこを注意したらいいのかがわかりやすくなります。
- あなたが視覚タイプだったら:話を聞かない、話が飛ぶ、テンポが速い、会いたがる
- あなたが聴覚タイプだったら:話が長い、理屈が多い、矛盾を指摘する、電話で済ます
- あなたが体感覚タイプだったら:直感的過ぎる、感情に浸る、テンポが遅い、ボディタッチが多い
この診断で、わたしは「聴覚」がかなり高いタイプです。「視覚」と「体感覚」は普通でした。じぶんでは「視覚」と「体感覚」が優位かなと思っていますが、診断の結果は正反対でした。つまり、自分の思う自分と、周囲の人々が感じている自分は違っているということなのでしょうか。
そういうギャップからも、コミュニケーションがうまく噛みあわない状況が生まれるのかもしれませんね。
「わかってもらえない」「何を言っているのかわからない」そんなときには、感覚システムを見直してみるとよいでしょう。
相手の感覚タイプに合わせた接し方
- 視覚タイプ:早いテンポで話す、図やグラフを使う、見せて示す、きれいな場所で話す
- 聴覚タイプ:論理的に説明する、データや数字を使う、言葉をていねいに使う、静かな場所で話す
- 体間隔タイプ:感情的な表現を使う、体験してもらう、触れてもらう、ゆっくりしたテンポで話す
状況によって感覚タイプが変わる
同じ人でも、そのときの状況によって優先的に使う感覚システムが変化します。仕事では聴感覚タイプだけれど、プライベートでは体感覚タイプが強くなるなど。相手や場面が変わると感覚システムも自然に変るのです。
自分と異なる感覚システムの人に対しては、苦手意識を持ちやすいでしょう。そういう場合に、あなたの得意ではない感覚システムを意識的に使うようにすると、コミュニケーションがスムーズになります。同時に、あなたの思考や行動の幅が広がって可能性が増えていきます。それは、あなたが成長する大きなステップにつながるのです。
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りょうこのつぶやきでした。
では、ごきげんよう。
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