夏休みの宿題。
読書感想文の審査員は、ウンザリしています。
インターネットや書籍、ワークシートなどで同じように指導されている感想文のワンパターンに。
そんなフォーマットで書いた感想文は、ハッキリ言って相手にされません。
審査員が「あっ!」と驚くインパクトがないとダメなんです。
「う~ん」と唸る感動が必要。
「お?なんか違うぞ」と思わせたら、こっちのモン。
2017年の傾向―5つのポイントをおさえる
小学生の課題図書では、次のようなテーマが取り上げられています。
- 認知症
- 外国人
- 学級・友だち
- 変化(熟成)
- 伝える・わかり合う工夫
- 無関心
- 一人ひとりの個性
- 誰かの為に一生懸命に働く
これらを、どのように掘り下げるかというと、
- 自分に当てはめる
- 今の自分やまわりの状況
- 今後どう変化していくと思うか―不安な可能性
- 今まで考えたり行動してきたことと違う新しい発見
- わかったことで自分の感情がどんなふうに大きく動いたか
このような5つの大きなポイントがあげられます。
まず、自分が「感動」しないとダメなんです。
泣いたり落ち込んだり、しみじみと感じたり。
それが少しもなかったら、感想文を書くのはやめた方がいい。
読み手を感動させる感想文は、まず自分にドラマがないとダメなんです。
感動を行動に移すことが「ドラマ」です。
やってはいけない 書き出しのNG
審査員を惹きつけるもっとも重要なポイントは「書き出し」です。
ここで、「ああ、ありきたりだな」と思われたら、そこでアウト。
最後に、どんなに素敵な事が書かれていたとしても、さっと流し読みでスルーされるのがオチ。
わかるでしょ?
- この本を選んだ理由
- 本のあらすじ
これから書き始めたら絶対にダメ!
最初の1行には、これを書け!
- 登場人物のセリフ(会話)
- 自分の叫び(感動)
- 自分と家族(友だち・ペット)のエピソード
- 現実と物語との接点
- 物語の主題
1行目に、これらのうちのどれかをドンと打ち出して言い切る。
それから、自分や家族(友だち・ペット)の変化について書いてゆきます。
セリフで切り込んだら、最後もセリフでシメる。
中身はこう仕上げる
- 気づかなかった自分のこんなところに気づいた
- 家族や友だちへの気持ちや接し方の変化
- ペットと接するように人にも心を開けるようになった
- 病気とか障がいはひとりひとりの個性なんだ
- 伝える努力とわかってもらえる喜び(実は伝わっていなかった)
- 人は変わろうと思えば変れる、思わなきゃ変われない
- 気づきや成長・変化には敏感なアンテナが必要
- 高齢化社会でもそれぞれの役割があり助け合える
- 理解することがとても大事
- 誰かのために自分に何ができるのかを真剣に考えた結果
実際に、自分が感じて行動を変えた結果まで書けなければ、入賞の候補にはあがりません。
「これからは、こうしていきたいと思いました」
これでは、凡人レベル。
今はそう思っていても、本当に行動できるかどうかわからない。口先だけかもしれないから。
そこに説得力を持たせるには、「自分が行動した結果」が不可欠です。
自分がこんな風に変ったら、周りの人もこんな風に変っていた。そういうエピソードがあれば、「そうだったのか」と感動と興奮が湧き起こるのです。
現実の世界とどうつながって広がってゆくのか。
そこに面白さが生まれてきます。
りょうこのつぶやきでした。
では、ごきげんよう。
アイキャッチ画像出典:2万冊以上のビジネス書を読んだ、日本一の書評家の読書術|Career Supli