わたしが「ミニマリスト」という言葉に出会ったのは2016年になってからです。それ以前は「断捨離」でした。しかし、どちらも「いいなぁ」と思った反面、どうもしっくりこなくて疑問もありました。
「専業主婦の特権」「子どものいない家庭限定」「仕事中毒で家に寄り付かない夫」「貧乏(節約)」「宗教的なコミュニティ」「拒食症(摂食障害)と似ている」そんなイメージが浮かんできます。
けっして批判や決めつけではないので、あくまで個人的な感想(イメージ)です。けれど、ここで不快に感じられた方は、もうこれ以上読まないでくださいね。
完璧なミニマリストになれないと思う方や、実際にやってみたけれど期待したほどの効果を実感できなかった方、あるいは挫折してしまった方には、何かヒントになるかもしれません。
ミニマリストの徹底分析
偶然、面白いブログに出会いました。鋭い視点でミニマリストを分析しています。
この中では3つのタイプに分類されており、そのうちのタイプ2がいわゆる自称「ミニマリスト」であり、ミニマリストの最大派閥だろうとされています。このような分類の視点だけでも興味深いです。
- 極限まで持たない元祖ミニマリスト(極限派)
- 気に入ったものだけを厳選して使うシンプルライフ派
- 必要なモノはすぐに買い不要になったら捨てる正統派ミニマリスト(金持ち派)
元祖ミニマリスト:極限派
ミニマリストが登場するはるか以前から存在していました。生活の無駄を徹底的に排除し、TVも持たず、寝袋で寝る、持ち物はスーツケース1つという生活スタイルです。ここまで徹底できない、あるいはしたくない人達が今流行りの「ミニマリスト」というスタイルを確立したのではないでしょうか。
シンプルライフ派
お気に入りのモノだけで暮らすシンプルでロハスな暮らし方。女性や主婦が多く、ミニマリスト同士のつながりが重要です。サークルやコミュニティのような小さなグループを作りやすく、価値観の同じ仲間で交流するのを楽しんでいます。どうも社会生活でのコミュニケーションが苦手らしい。
正統派ミニマリスト
富裕層がモノをたくさん持つことの虚しさを感じて、少ないながらも良いモノだけで洗練された生活を営み始めたことが本来の姿だそうです。収入の少ない環境での節約術とはかけ離れたシンプルだけれど「上質」な生活を送ることが目的です。
ビートたけしの辛口コメント
「ミニマリストって、結局貧乏人だろ?」というフレーズが有名なのですね。知りませんでした。収入と支出のバランスをとるための単なる節約術で終わるものに対して、そんな風に言われるのでしょうか。
上記のブログのなかで「ミニマリストの5つのリスク」が挙げられています。
- 防災・備蓄がないので災害時に命の危険のリスクが高い
- 最小でシンプルであることへの「執着」が非常に強く、価値観の違う外界の雑音や他人の生活スタイルに過敏になっている
- 「幸福病」に陥りやすい
- 「もっと減らしたい」という過剰な欲求へ発展する
- 家族への影響
何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし。本来のミニマリストを極めると、ミニマリストという「肩書」も要らなくなるし、精神的な自由を手に入れられる。そのためには「執着」を断ち切る必要があると。
「もっともっと減らしたい」とエスカレートする欲求が、拒食症(摂食障害)に似ているなぁと感じるのは、わたしが看護師だから?
『ライフスタイルをシンプルにする=幸せである』
そんな公式(呪文)があって、「自分はこんなに幸せよ」と発信し続けることが大きな満足感につながるようです。
ミニマリストの先にあるもの
「モノを減らす」こと自体が目的ではなくて、その結果生み出される新たな価値に目を向けてはいかがでしょうという提案がされています。
不要なモノを減らした結果得られた時間やお金や精神的余裕で、趣味や仕事をグレードアップするとか、自分磨きに投資することができれば、より満たされるという考え方です。
ミニマリストに憧れるけれどうまくいかない人たちは、おそらく「モノを減らす」ことだけが目的になってしまっているのではないでしょうか。何のためにモノを減らすのか、減らした結果どうなりたいのかという未来のゴールが具体的に意識できないと実践は難しいと思います。
最後のオチが「オールインワンゲル」のコスメのPRでした。そのために、あれだけの文章を書いたことに敬意を表します(笑)ネタばれしちゃって、ごめんなさい。
ミニマリストを広めたミニマリスト
ミニマリストは最小主義者。不要なモノを捨てて、結果的に残った無印良品のお気に入りのモノだけに囲まれる生活。本当に大切な最小限のモノだけで暮らす人。シンプルな暮らしをめざす。そう語るのは、やまぐちせいこさん。
脱帽!ミニマリストの生活はこんなに合理的 | 街・住まい | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
その時々に求めていた暮らし方を振り返ると、自分の目標や価値観の変遷がわかるといいます。仕事を辞め、専業主婦のミニマリストとして小さな幸せを求める生活を選択。専業主婦とはいっても、数々の出版や月間150万PVのブログの運営。やりたいことを自由にやるという夢はかなったのでしょう。
仕事とミニマリストは両立しないのかと思ってしまいますが、そんな大雑把なくくり方はできませんね。むしろ、簡素な生活スタイルは家事の雑用を減らして、時間を有効に使える工夫ができます。
ミニマリストという言葉に憧れる
ミニマリストになって幸せを実感できる人は「視覚タイプ」の人のようですね。目に見える世界のイメージが強く影響します。そして、お気に入りのリネンの肌触りが大好きで、スキンシップが大切な「体感覚タイプ」でもあります。
聴覚タイプの理屈っぽい人が多い会社では、ストレスが多いかもしれない。かといってベタベタくっつくのも好きじゃなさそうだし。
自分の世界を快適に創造する。家、モノだけでなく、人間関係も。ミニマリストは、断捨離と通じる部分もあるけど、たぶん違いもあるんだろうな。
ミニマリストも断捨離も、風水に近いと感じる。不要なものを捨てる。出番がないものは捨てて、必要な新しいものを買う。不要なモノを溜めない消費行動の循環がよい運を招くというのが風水の考え方。モノと気を動かす。
世の中には、雑多なモノに囲まれていても、別に不幸じゃない人もいるし。脳の機能で片付けられない人もいる。
わたしのなかのミニマリストは、シンプルよりも「整理整頓」かな?使いやすい機能重視。「整理」は、見た目の美しさが重要。だから、どこに何を突っ込んでも構わない。とりあえず散らかっていなければいいのだ。ダーリンが、そういうタイプ(笑)
「整頓」は、探しやすく使いやすい戻しやすい機能的な収納。当然不用品は邪魔になるので排除されていく。かつ、見た目もすっきりシンプルに。それが「整理整頓」であり、わたしが目指すのは、そこだ!
一番のお気に入りは、ジノリのカップ。安いものをシーズンごとに買い替えることもあるし、よいものは長く愛用したい。イタリアンフルーツペアコーヒーカップ 税込32400円。ヘレンドも好き。お友達から誕生日プレゼントにいただいたバカラのグラスも宝物。
衝動買いしたウェッジウッドのティーセットと一緒に、サイドボードにごちゃごちゃに詰め込んであるのが問題(笑)
「ミニマリスト」の定義は一定ではなくて、それぞれに自分流のルールがある。誰かにとってのベストが、すべて自分にも当てはまるかどうかは別問題。「何のために」「どうなりたい」という目的をしっかり持って、自分に合ったやり方を自由に創造するところに面白さがあるんじゃないかな。
まず、やりたいと思ったらやってみる。とりあえず誰かの真似でもいい。そこから自分に合わせてカスタマイズしていけばいい。「こうあらねばならぬ」という決まりはないのだから。ゴールを決めるのは、あなたでしょ。
P.S.
ミニマリストの語源は音楽なの~?
りょうこのつぶやきでした。
では、ごきげんよう。