1年以上前に閉経したのに、ある日突然不正出血が・・・。
これって、子宮体がんの可能性が高いのです。
「また、生理がきたのかな?」と油断しないで、すぐに婦人科を受診しましょう。
閉経の判断や体の変化についてと、子宮体がんと診断された時の心構えについてわかりやすく解説しています。
まずは、子宮体がんの初期症状からみていきましょう。
子宮体がんの初期症状
- 不正出血
- おりもの
子宮体がんの初期には、不正出血とおりものが特徴的です。
普段と違う変化があれば、放置しないで婦人科を受診しましょう。
閉経後の不正出血
出血があったら、量が少なくてもすぐに婦人科を受診しましょう。
子宮体がんの80~90%は、不正出血による受診で発見されています。
特に、少量がダラダラと続く場合は要注意です。
出血は、新しい赤い血から、古くなった茶色い物、量が少ない場合は黄色でおりものと区別がつかないこともあります。
閉経後のおりもの
生理のあるなしに限らず、普通のおりものは、あまり色やニオイはありません。
普段と違う色やニオイに変化したら、婦人科を受診しましょう。
- おりものの量が増えた
- 水っぽいおりものになってきた
- 茶色くなったり血が混じる
- 今までと違うニオイがする
このような変化に気づいたら、なるべく早めに婦人科を受診しましょう。
まだ生理がある場合は?
1~2日で終わる少量の出血は、排卵期の出血の可能性があるので、様子を見てもよいことが多いようです。
ただし、繰り返す場合は婦人科で相談しましょう。
閉経かどうかわからない場合
閉経前は生理不順になりやすいため、婦人科で検査を受けなければ判断できません。
おりものにほんの少し血が混じる程度の少量の出血でも、油断は禁物です。
不正出血とおりもの以外の症状は?
子宮体がんの初期に、腹痛や腰痛を伴うことがありますが、必ずあるとは限りません。
この痛みはさし込むような痛みというよりも、重苦しい、お腹や腰が張っている、何となくスッキリしない感じです。
性交痛や排尿時痛が初期で起こることは少ないでしょう。
閉経はいつやってくる?
あなたは、どのようにして閉経したかどうかを判断しますか?
通常は、1年以上生理がこなかったら、閉経と判断されます。
ただし、これは絶対的な基準ではありません。例外もあります。
生理不順との区別が難しい場合もあります。
閉経の年齢
日本人の平均閉経年齢は50歳です。
あくまでも平均なので、5歳くらいは前後しても普通です。
早い人では30代で閉経します。
人によっては60代でもまだ生理があって、妊娠・出産した人もいます。
喫煙と栄養不良や無理なダイエットなどは、閉経の時期を早めると言われています。
閉経のメカニズム
生まれた時に持っていた卵子の数が一定数まで減って、排卵しなくなり生理が止まります。
加齢によって卵巣が老化し、卵巣機能が衰えてホルモン分必が減り、やがて閉経に至ります。
病院へ行かずに閉経かどうかを調べる
婦人科の受診に抵抗がある場合には、自分で調べる方法もあります。
- 基礎体温の測定と記録
- 市販の排卵検査
基礎体温で排卵とその後の高温期が確認できれば、まだ閉経ではありません。
市販の排卵検査薬で、排卵の有無を確認することもできます。
排卵検査薬は、本来は妊娠を望む場合に使用するものですが、これで排卵が確認できれば、まだ閉経ではありません。
* 基礎体温計の購入は、こちら。
*市販の排卵検査薬の購入は、こちら。
婦人科を受診して調べる
- 1年以上の無月経
- E2:エストラジオール(エストロゲン=卵胞ホルモンの元になる物質)20pg/ml以下
- FSH:エストロゲン=卵胞ホルモンが常に40mlU/ml以上
E2とFSHは血液検査です。
子宮摘出などで生理による判断ができない場合に、血液検査を行って判断します。
通常は、1年以上生理がないことと、内診で外陰や膣の萎縮が確認できれば、血液検査は行わずに閉経と診断されます。
*検査結果の基準値は「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2014」に記載されている数値です。
閉経後の体の変化
閉経後は、女性ホルモンの減少による様々な変化が訪れます。
- 肥満
- 骨粗しょう症
- 脂質異常
- おりもの
- 性交痛
- その他
肥満
脂質の代謝が低下して脂肪がたまりやすくなります。
また、食欲のコントロールがしにくくなり食事摂取量が増える傾向になります。
骨粗しょう症
女性の加齢による骨量の変化と骨粗しょう症発生率のグラフ
このように、女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、骨粗しょう症の発生率が急増しています。
骨粗しょう症は、次のような骨の生成と破壊のバランスが崩れるために、骨が軽石のようにスカスカになって非常にもろくなった状態のことをいいます。
脂質異常
コレステロールや中性脂肪の代謝が悪くなり、脂質異常になります。
脂質異常は動脈硬化を悪化させるので、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクも高くなります。
動脈硬化によって脳の血流が悪くなると、うつや物忘れが多くなることがあります。
おりもの
子宮や膣の粘膜が萎縮することによって、分泌物が自然に減ります。
自浄作用が低下するので、細菌感染や炎症が起きた場合は、おりものが増えます。
性交痛
筋肉や粘膜の弾力性が減り分泌物も減るので、刺激に過敏になったり痛みを感じることがあります。
その他
子宮筋腫がる場合は、閉経に伴って筋腫が小さくなります。そのため、閉経が近い場合位は、子宮筋腫の積極的な治療を見合わせて様子を見ることもあります。
髪が細く薄くなったり肌トラブルが増えるなどの変化も出てきます。
子宮体がんのリスクを高める因子
- 肥満
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常
- 不妊症
- 出産経験がない
- 排卵障害(月経異常)
- 近親者に乳がん、大腸がんの人がいる
このような条件が重なると、子宮体がんのリスクが高くなります。
不正出血とおりものと同時に、上記の項目に当てはまるものがあれば、迷わず婦人科を受診しましょう。
子宮体がんと診断されたら
- 医師と良好なコミュニケーションを取る
- セカンドオピニオン
- 病気と治療について十分に理解する
- 治療方法と病院を選ぶ
これから治療を行うには、 遠慮なく質問できて、あなたが納得できるまで丁寧に説明してくれる医師であることが重要です。
少しでも抵抗を感じたなら、主治医を変えてもらったり、場合によっては病院を変えることも必要です。
一つの病院で結論を出すことに不安があったり、治療の選択肢が少ない場合には、他の病院でセカンドオピニオンを受ける権利があります。
医師にセカンドオピニオンの希望を伝えて、受診病院への情報提供書をもらいましょう。
セカンドオピニオンは、どの医師でも快く勧めてくれる権利です。遠慮や気がねは一切いりません。
正しい知識を持って、治療法や病院を決めましょう。
まとめ
閉経後の不正出血やおりものの異常は、まず「がん」を疑いましょう。
自己判断で放置するのは危険です。
閉経前であっても、不正出血は婦人科を受診して相談しておくのが一番です。
異常がなければ安心できるし、必要に応じて経過観察もできます。
子宮体がんの診断が確定したら、治療法と病院を選びましょう。
大切なことは、医師を信頼してあなたが前向きに頑張れること。
子宮体がんは、生存率が高くて治療できる病気です。
少しでも不安や疑いを持ったら、一刻も早く婦人科を受診しましょう。
こちらのサイトで、全国の婦人科を検索できます。
参考サイト
HOME:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
「子宮体がん 受診から診断・治療・経過観察への流れ」(PDF)
不正出血|女性特有|症状別解消法|コミコミクリニック みんなの家庭の医学
エストロゲン低下により起こること|女性のカラダとエストロゲンの関係|更年期のココロエ|バイエル薬品
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りょうこのつぶやきでした。
では、ごきげんよう。