夏休みなどの宿題で自分だけの「小学生新聞」を作ることがありますね。
新聞には、一般的な文章や作文とは違った独特のルールがあります。そこがわかれば簡単なのです。
ここで小学生新聞づくりの疑問を、すべて解決しましょう。
<2018年7月更新>
- はじめに この記事の使い方
- 新聞のつくり方(手順)
- 手順1:新聞づくりの準備
- 新聞のレイアウト(割り付け)の基本
- 1~2年生の新聞づくり
- 3~4年生の新聞づくり
- 5~6年生の新聞づくり
- 手順2:新聞記事を書く
- 手順3:清書と仕上げ・見直し(校正)
- 新聞の台紙・テンプレート
- 新聞記事の書き方のポイント
- 取材・インタビューの方法
- アンケートの取り方
- 写真の撮り方の工夫
- 壁新聞の楽しい作り方
- 新聞のグループ制作の進め方
- 新聞をつくる目的
- 新聞づくりで学べること
- まとめ
▶小学生新聞の作り方 ―もくじ― - コミュニケーションBLOG
理屈抜きにサクサク新聞を作りたい場合は「筆まめパーソナル編集長 Ver.12」
お急ぎの場合はダウンロード版もあります。
はじめに この記事の使い方
初めて新聞づくりにチャレンジする1年生の作り方は、「1~2年生の新聞づくり」をご覧ください。
お探しのキーワードが目次に見当たらなければ、 恐れ入りますが ブログ内検索をご利用ください。
- 楽しく作ること
- 「できた」という満足感
初めてのチャレンジは、この2点がとても大切です。
コンクールへの出品・入賞を狙う方は、必要な箇所を拾い読みしてください。
小学生新聞には要求されていない、本物の新聞のきまりにも触れています。
新聞の仕組みがここまで詳しくわかると、新聞を読むのが3倍楽しくなります。
ここで説明している「新聞の基本」は、いろいろな新聞に応用できます。
新聞のテーマが「本の紹介」であれば「読書新聞」になります。
「歴史上の人物」がテーマであれば「歴史新聞」です。
さあ、あなたは「何新聞」を作りたいですか?
▶【夏休みの宿題】子ども新聞3種類から「学習新聞」を作る - コミュニケーションBLOG *「学習新聞」の8つの種類を簡単に紹介しています
新聞のつくり方(手順)
- 準備
- 新聞記事を書く
- 清書と仕上げ
簡単に言うと、新聞づくりはこの「3ステップ」です。
これらの中身がそれぞれにたくさんあって、慣れないとちょっと難しく感じてしまうかもしれません。
でも、その正体が分かれば、あとはその通りにやってみるだけ。
難しく考えるよりも、実際に書いてみた方がスムーズに進みます。
食わず嫌いのアレルギーはなしにしましょうね。
- 何を書くか決める
- どのように書くか内容を決める
これができたら、あとはやるだけです。
手順1:新聞づくりの準備
- 誰に読んでもらうのかを考える
- 新聞の題名を決める
- テーマを決める
- 内容を考える
- 作業のスケジュール(日程)を作る
- 調べる、研究・実験する
【誰に読んでもらうのかを考える】
最初に考える重要なポイントは「誰が読む新聞か」ということです。
悩む必要はありません。学級新聞であれば、クラスのみんなや全校生徒、先生や保護者ですね。個人の新聞も同じです。
まず、ここをしっかりと頭に入れましょう。
【新聞の題名を決める】
何新聞にするか「新聞の題名」を考えましょう。
ここは楽しい作業です。
うんとアイディアを絞って素敵な題名を考えてください。
ただし、「eco壁新聞コンクール」に応募する場合は、新聞の「題名」が記事の「見出し」も兼ねているようなので、先にテーマを決めてから考える方がうまくいくでしょう。
▶【小学生新聞の名前】題字が大事:デザインいろいろ - コミュニケーションBLOG
【テーマを決める】
次に「新聞のテーマ」を決めます。
これも、難しく考える必要はありません。自分がいま気になっていることでいいのです。
疑問に感じること、不思議に思うこと、初めて知った新しいこと、みんなにも教えてあげたい楽しいこと、面白いこと、わからなかったことがわかったこと、など。
コンクールでは、自由なテーマと課題とがあります。
コンクールの課題を個人制作の新聞に取り上げて活用してもよいでしょう。
*夏休みネタ*
花火大会、家で遊ぶ花火、プール、水着、アトラクション、イベント、かき氷、お墓参り、祖父母の家、習い事、運動会、シャボン玉、ゆるキャラ、乗り物、働く車、エコ活動 、観察(植物、昆虫、動物、天気、水、雲など)
【内容を考える】
初めての新聞づくりや、新聞づくりに慣れていない段階では、ここで大人のアドバイスが必要です。
いろいろなヒントを出して質問し、子どもが楽しく想像をふくらませたり好奇心がわいてくるようなアプローチをしましょう。
- テーマの深め方を考える
- 調べる方法を考える
- メインのトップ記事とサブ記事を決める(1年生は1記事でOK)
まず、 決めたテーマをどんなふうに詳しく調べるか考えます。
▶花火:花火の仕組み、使われている材料、花火の種類、珍しい花火、花火の歴史、花火のルーツ、外国の花火、安全対策など
▶かき氷:いつ頃できた?昔はどうやって氷を作ったの?氷の削り方、シロップの今と昔、かき氷を食べるとどうしてキーンとなるの?食べてもキーンとならないかき氷、など
▶シャボン玉:シャボン玉液のひみつ、洗剤の薄め方、氷点下では凍って割れる、虹の色が写る仕組み、どうして丸くなるの?割れないシャボン玉ってある?シャボン玉を作る道具とシャボン玉の大きさのいろいろ、など
次に、調べる方法を決めます。
- 本で調べる
- インターネットで検索する
- 詳しい人にインタビューする
- アンケートを取る
- 科学館や専門施設などで取材する
- 実際にやってみる(体験、観察、実験など)
- 新聞に使う資料(写真、イラスト、切り抜きなど)
その内容に合わせてメインのトップ記事ひとつと、サブの記事をいくつ書くかを決めましょう。(1年生は1記事のみでOK)
ポイントは「自分が主人公」です。
読書感想文と同じで、自分が「何を考え」「どう感じて」「どんな行動をしたか」ということが大事です。
ただ調べたことを並べるだけではないですね。
絵日記との違いは、ここです。
調べる前の疑問や興味、調べている最中の発見や感動、わかったことで何を感じどんなふうに自分の行動や考えが変わったか、という「自分の気持ち」と「自分の変化」を表現しましょう。
【作業のスケジュール(日程)を作る】
夏休みの宿題だったら取り掛かる日は夏休みの初日でもいいし、場合によってはもっと前から準備を進めてもよいでしょう。
完成のタイムリミットは、夏休みの最終日ですね。
そして、いつからいつまでに何を終わらせていくのかを細かく計画しましょう。
1年生なら1日で完成させることも簡単なので、スケジュールは必要ありません。
コツをつかんだら、1つの作品に限らず何枚か作って見るのも楽しいでしょう。
作業内容を順番に並べて、取り掛かる日を決めていきましょう。
できたところにチェックを付けていきます。
▶GWは夏休みの自由研究の準備をしよう!【小学生が楽しめる楽々計画作り】
【調べる】
さあ、スケジュールが決まったら、その予定通りに進めて行きましょう。
選んだ方法で、実際に行動していきます。
ワクワクしてきましたね。
新聞のレイアウト(割り付け)の基本
「新聞って、どんなもの?」
それがわからないと、何をどのように作るのかがイメージしにくいかもしれません。
そこで、ちょっと新聞の基本を見ておきましょう。
新聞には決まったスタイル(パターン)があります。
その中から、自分の好きなものを選びましょう。
【小学生新聞の大きさ】
小学生新聞の場合は、B4かA3の用紙、または八つ切り画用紙などが一般的です。
- B4:257×364mm
- 八つ切り画用紙:271×391mm
- A3:297×420mm
コンクールでは専用の応募用紙が指定される場合があります。
壁新聞やコンクールへの応募作品は1枚で作る新聞がほとんどです。
【縦書き・横書き】
縦書きの新聞か、横書きの新聞にするかを選びます。
用紙は縦置きが一般的ですが、横置きでもOKです。
新聞の題名(題字)の位置は、縦書きの題字は右上、横書きの題字は上になります。
【記事の種類】
- トップ記事
- タタミ記事:片側に線を引いて他の記事との違いを目立たせる記事
- カコミ記事:他の記事から独立して上下左右を線で囲んだ記事
- コラム:記事の評論や分析、季節や地域の話題、生活に関する話題についてのコメント
- インタビュー:取材のために人に会って聞いた話を正確に書いた記事
- アンケート:あるテーマについて多くの人の意見を集めて集計しまとめた記事
- ルポルタージュ:現地報告、記録記事
- 編集後記:新聞を書き終えた感想
- 社説
- 広告
最も重要な記事は「メイン記事」または「トップ記事」と呼ばれます。
テーマが1つであれば、トップ記事を補足する記事や関連記事を加えます。
【タタミ記事とカコミ記事】
「タタミ記事」は、縦置き縦書きの新聞では通常は紙面の左上に数段にわたって細長い記事になっています。
天地(上下)と段落の罫線はなく罫線は横の片側か両側のみになり、見出しを記事の中央に配置することもあります。
「カコミ記事」は、他の記事が縦書きでもこの中だけは横書きにしてもかまいません。
1行の字数を増やしたり段の数を変えて変化をつけることができます。
「タタミ記事」と「カコミ記事」の幅は、紙面の1/3を超えないようにして、縦長か横長にすると安定します。
また、カコミは全周を囲むほかに、天地(上と下)だけ飾り罫線をつけたり、四隅だけに飾り罫線をつけるなどのアレンジもあります。
紙面全体のアクセントになるので、うんと活用したいものです。
詳しい書き方と罫線の種類についてのわかりやすい説明は、こちらです。↓
▶【小学生新聞:罫線】カコミ記事・タタミ記事の書き方 - コミュニケーションBLOG
実際の割付用紙にレイアウトした実例があります。
【記事の順番】
縦書きの新聞は右上から読み始めるので、
- トップ記事が右上です
- 2番目に大事なセカンド記事は、トップ記事に続く中央から左下へ向かう記事
- 3番目の記事は左上
- 4番目の記事は右下
【紙面の構成要素】
- 文章
- イラスト:挿絵、4コマ漫画など
- 写真
- 図版:グラフ、相関図、地図、工程表、一覧表など
- 見出し:大見出し、主見出し、小見出し、袖見出し、カット見出し(大見出しよりも大きく強調された見出し)、柱見出し、肩見出し
- リード(前文)
- 題字(新聞の名前)
小学生新聞の場合は、ほとんど「リード(前文)」を使いません。
「見出し」は、メインのトップ記事の「大見出し」と、その他の記事の「小見出し」の2つだけ使うのが一般的です。
1記事の新聞の場合は「小見出し」もなくて大丈夫です。
【記事の配置=レイアウト(割り付け)】
紙面の構図をスケッチして「形」のバランスをとることがコツです。
そのためには、新聞の作成用紙や応募用紙のコピーを使いましょう。本物の新聞には専用の「割り付け用紙」というものがあります。
- 題名(題字)と題字下:新聞の題名、発行者や発行年月日など
- 3種類の記事レイアウト:X型レイアウト、T型レイアウト、区画型(箱組型)レイアウト
- 段組み
- 見出
【3タイプの記事レイアウト】
記事のレイアウトには、次のような3つの種類があります。
しかし、小学生新聞の場合には、このような型にはまらない自由な表現も歓迎されているので、あまりこだわる必要はありません。
①基本は対角線で構成するX型レイアウト
人の目の動きは、右上から左下へ対角線に移動するので、左下がりの対角線上にあるものがより目立ちます。
逆に、反対側の右下がりの対角線は見づらいので、左上と右下は「死角」になります。
この「死角」に、「ハコモノ」と呼ばれる「カコミ」「タタミ」記事や、写真・イラストなどを配置すると、紙面にアクセントができて引き締まり読みやすくなります。
見出しはなるべく左下がりの対角線上に配置します。2つの対角線が交わる紙面の中心を「ヘソ」といいます。「ヘソ」にも、見出しを置くとバランスがよくなります。
2本の対角線をベースにレイアウトを考えるのが基本で、X型といいます。
見出しが紙面の片方にかたよると読みにくいので、見出しは左右に平均的に配置します。
大きな見出しはなるべく上の方に置いて、紙面のポイントが中央から少し上の方になるようにバランスを整えましょう。
「カコミ」や「タタミ」は、対角線上の見出しの邪魔をしないように気をつけます。
これは、かなりの上級テクニックになります。
②T型レイアウト
紙面の最上段に横書きの大きな見出しを置いて、中央にも縦の見出しを置き、見出しがT字になるように配置したレイアウトです。
一般のスポーツ紙によくみられます。
2つの意見を対比させたり比較するような記事に適しています。
③ブロック構成の区画型(箱組型)レイアウト
記事をブロック(四角いかたまり)にして、パズルのように組み合わせる配置の方法です。区画型と呼ばれており、対角線で考えるよりも単純で簡単です。
特に1つのテーマで特集する場合に適しているので、小学生新聞に向いています。
箱組型やボックス型とも呼ばれます。
新聞を何段で書くかを決めて、ブロックをうまく組み合わせていきます。
定型というものはありませんが、読みやすさと紙面全体のバランスに注意しましょう。
ブロックを小さくし過ぎないようにして、大事な記事は写真やイラストなどをダイナミックに大きく使うと注目が集まります。
【見出しの種類とレイアウト】
- 主見出し(本見出し、大見出し):記事のもっとも重要なポイントを言い切る(7~9字)
- 中見出し:記事の本文の中に2段通しで入れる見出し
- 小見出し:記事の長い文章の途中に入れる段落の見出し
- 肩見出し:内容の特色を表現する主見出し前に書くやや小さめの文字(8~10字)
- 袖見出し:主見出しの次にくる補足的な見出し(8~10字)
- 割見出し:上記の3つの見出しで言い切れなかった主語や地名、サブテーマなど
- 1本2行見出し:縦横どちらでも1文を意味がわかるように2行にバランスよく分ける(行頭に「を」「の」「は」など助詞がこない)
上図左側の「1本2行見出し」は通常見出しの頭を揃えるきまりを、あえて崩して少しずらすことで優しい雰囲気を演出しています。
「タタミ」「カコミ」の中では、次のような見出しのレイアウトが使われます。
- 渡し組
- クミコミ(ワリコミ)
見出しには、感嘆符「!」をなるべく使わないのが原則です。
見出しを強調したいときは、文字の大きさやデザインで表現しましょう。
【面白マメ知識:紙面構成のタブーあれこれ】
記事の読み方には、上から下、右から左へという決まりがあります。
その流れを無視すると、読者が混乱してしまいます。
そのため、本物の新聞には次のような注意事項がたくさんあります。ネーミングが面白いですね。
しかし、小学生新聞の場合は、ぜんぶ無視して自由にのびのび作りましょう。
◆両流れ(雨降り)◆
イラストなどがあって、2つの記事が両方同じところへ流れて(読み進んで)どちらの記事の続きなのかがわからないこと。
◆泣き別れ◆
イラストなどの両側(または上下)の記事の文末が「。」で終わり、行替え(改行)で始まっている場合に、別々の記事なのに本来の続きを読まずに、別の記事につなげて読まれてしまうことをいいます。
あるいは、記事の本文が続いているのに、段の最後の文章が「。」で終わって改行されていると、続きを読んでもらえなくなります。
◆飛びおり◆
記事を上段よりも左側に流し(続け)たり、写真などをはさんで2段下の記事まで飛び降りることをいいます。
つながった記事は、次の段に続くのがきまりです。
◆飛びこし◆
記事の「流れの原則」からいうと、記事は壁や写真にぶつかったら下の段へ流れて(続いて)いきます。何かを飛び越えて横にはいきません。
*例外*
- カコミ・タタミで見出しが記事の真ん中にある場合
- 挿絵を使う場合
- 記事の中に広告やカットを入れたとき
◆エントツ(見出しの直列)◆
見出しが同じ行の縦に繋がっている場合は、2つの記事ではなく1つの記事のつながった見出しだと勘違いされてしまいます。
◆見出しの横並び(並列)◆
2段にまたがる見出しが、同じ2段の中に2つ並んでいること。
片方の見出しが1段の場合は問題ありません。1段見出しは横並びもOKです。
◆ハラ切り◆
紙面の右から左へ一直線に団の境目が横断していることをいいます。
- 紙面が分断された違和感
- 見出しのエントツ(直列)や横並び(並列)が起こりやすい
- 端から端まで記事が流れていると目の動きに無理がかかる
- 読みにくい
このような理由でタブーにされていますが、小学生新聞の場合はこだわり過ぎる必要はありません。
*例外*
下から2段目と1段目の間が一直線になるのは差し支えありません。
◆シリモチ◆
紙面の最下段に、2段以上の見出しや写真などを配置することをいいます。
全体のバランスを崩すので避けた方がよいのですが、絶対にやってはいけないというきまりではありません。
やむを得ない場合は、上段の記事の比重を大きくしたり、トップ記事を「横見出し」にするなどの工夫が必要です。
画像出典:新聞用語集 « 新聞作成のルールとポイント « パーソナル編集長 - 新聞・チラシ・POP作成ナビ
1~2年生の新聞づくり
初めての新聞づくりは、絵日記の延長です。
新聞と絵日記の大きな違いは、体験したことと感想を書くだけではないということ。
「調べる」「考える」という学習の「経過」と「結果」が必要です。
それらの事実について、自分がどう思ったかということと自分の変化(考え方や行動)について書きましょう。
新聞のテーマと書きたい内容を決めて、記事を下書きします。
伝えたい事実と、自分が感じたことや思ったことは区別して書きます。
文体は「だ、である」よりも、「です、ます」が一般的です。
リード(前文)はいらないので、記事を読みたくなるような「見出し」を工夫します。
「見出し」を考えることは、記事(文章)を要約する力と読者(対象)を理解して伝える工夫を学ぶことができます。
*1~2年生向け 2段組タテ見出しレイアウト例*
*1~2年生向け 2段組ヨコ見出しレイアウト例*
全国銀行協議会・朝日小学生新聞・朝日新聞社の「エコをテーマに新聞を作ろう」では、2種類の応募用紙があってテーマが選べます。
全学年用の応募用紙は6段組で縦型のいわゆる新聞タイプです。
1~3年生用の応募用紙は、同じく縦型ですが絵日記スタイルになっています。
記事欄には見出しを入れずに書けるようになっていて、そのかわり新聞の題名が「見出し」の役割を兼ねているようです。
そして、題名の横に「エコだと思うことを書こう」という欄があります。
それは、おそらくリード(前文)に当たるもので、記事の要旨を簡潔に書くようになっています。
「ECO壁新聞コンクールのお知らせ」 第11回(2018年)応募案内です。
締切は2019年1月11日(金)当日消印有効です。
3~4年生の新聞づくり
3年生になったら、書く内容を5W1Hで記事の文章を組み立てます。
複数の記事を載せる場合には、それぞれの記事の分量を調節します。
3年生は、まだ1記事のスタイルでもOKですが、文章のボリュームを倍くらいに増やすとよいでしょう。
*3~4年生向け 2段組タテ見出しレイアウト例*
*3~4年生向け 3段組横見出しリード付きレイアウト例*
5~6年生の新聞づくり
レイアウト(割り付け)を工夫しましょう。
「見やすく、読みやすく、わかりやすい新聞」が目標です。
内容も、深く掘り下げて書くようにします。
自分の思いや行動の変化、これからどうしたいかなどを具体的に書いていきます。
*6段組トップ記事ヨコ見出しリード付きレイアウト例*
トップ記事の写真をもっと大きくしたり、全体の記事数を少なくすることもできます。
組み合わせる記事の種類は自由に選べます。
編集後記の代わりに自分の「社説」を載せてもよいでしょう。
手順2:新聞記事を書く
- 新聞のスタイルを決める
- レイアウト(割り付け)を考える
- メインのトップ記事とその他の記事の位置と分量を決める
- 写真やイラストなどを配置する
- 見出しのスペースを決める
- 各記事の字数を確認する
- 下書きをする
- 記事の見出し(タイトル)とリード(前文)を考える
【新聞のスタイル】
前項の記事「新聞のスタイルとレイアウト(割り付け)の基本」を参考にして選びましょう。
- 記事は縦書きか横書き、用紙は縦置きか横置き
- 新聞の題名(題字)の位置
- メインのトップ記事の大見出しの位置
- 段組み:1~3年生の場合は基本的に2段、上級者は5~7段組みなど
どのような新聞を作るのかによってスタイルが変わります。
自由な個人新聞ならば、オーソドックスな新聞の決まり事にはこだわらずに楽しく作りましょう。
コンクールなどへの応募や、書き方に指定がある場合には、その内容に従います。
【レイアウト(割り付け)】
選んだスタイルで、下書き用紙にざっくりと構図を手書きしてみましょう。
清書する用紙と同じものを割り付け用に使うと便利です。
記事の位置を決めて、写真やイラストなどの資料を配置していきます。
頭の中で考えるとまとまらないので、実際に紙に書くことをおすすめします。
アイディア・メモなので、何枚か書いて比べてみるとよいですよ。
1~3年生では、1記事2段組で新聞を作ります。
2段の上段に写真やイラストなどの資料、下段に文章を書きます。
絵日記と同じスタイルです。
【メインのトップ記事とその他の記事の位置と分量】
トップ記事のスペースを多めにして、いちばん上に配置します。
トップ記事の下や左側に、2番目に伝えたい記事を置きます。
補足するサブ記事や別のトピックス、囲み記事(カコミ)などのバランスを見ていきます。
記事は紙面の50~60%くらいにするとレイアウトをしやすくなります。
小学生新聞の場合は、記事本文が長すぎると文字ばかりで読みにくくなってしまします。
本文が短いときには、イラストや写真をうまく使ってわかりやすくしましょう。
【写真やイラストの配置】
記事を書く前に写真やイラストなどを配置しておきましょう。コピーしたものを使ってもOKです。
この段階での記事の文章は、まだ書かなくてもよいです。
写真には一言での説明(キャプション)、グラフや表にはタイトルを書きます。
記事の枠をはみ出して写真などをダイナミックに使う場合は、記事欄の文字数にも影響するので、先にレイアウトを考えておきます。
【見出しのスペースを決める】
記事の配置が決まったら、見出しのスペースを決めましょう。
記事本文をバッサリ削ってしまうようなつもりで見出しのスペースを大きめに決めるのがコツです。
【記事の字数(行数)の確認】
全体の配置(構図)が決まったら、記事を書くスペースに何文字書けるかを数えます。
この作業が、実はとても大事です。
文字数を決めてから下書きする方が、長い下書きをあとから短くするよりもずっと楽に書くことができます。
また、コンクールによってはマス目で字数を指定せずに「行数」だけ指定されているところがあります。
この場合は1行の字数を自由に調整できるので、全体の字数や記事の長さを気にせずに書くことができます。
【記事の下書き】
メインのトップ記事、サブ記事、編集後記などを下書きしましょう。(低学年は1記事のみでOK)
この時に、下書き用紙に直接書く他に、同じ用紙を何枚か切り抜いて使ってもよいでしょう。
あるいは、原稿用紙や別のノートなどに普通に下書きしてもかまいません。
10mm方眼罫のノートや国語の学習帳は字数を数えるのに便利です。切らずに記事の枠(スペースの形)を書き込んで下書きすることもできます。
【見出しとリード(前文)を考える】
「見出し」は、記事の核心で伝えたいことそのものです。
「太く、濃く、大きく」書くのが基本です。
手書きのレタリングやオリジナルの装飾文字でもいいでしょう。
一目で「この記事を読みたいなぁ」と思わせる短い言葉で表現します。
「 リード(前文)」は、記事本文を短くまとめたダイジェストです。
記事よりは大きく見出しよりやや小さい文字で「太く、濃く」書きます。
見出しを、もう少し詳しく説明する文章です。
「リード(前文)」を読めば、記事本文の内容がザックリとわかるように書きましょう。
欲張らずに、短く簡潔に。
▶新聞の見出し作り 楽しい着眼点【これであなたも見出しのプロ】 - コミュニケーションBLOG
▶検索結果で差をつける!選ばれる魅力的なリード文の書き方【具体的な例文つき】 - コミュニケーションBLOG
手順3:清書と仕上げ・見直し(校正)
下書きをもとに新しい用紙に清書していきましょう。
- 記事欄の外枠を書く:周囲に余白を持たせる
- 上の余白(欄外)に「新聞の題名」(巻・号)、発行年月日(曜日)を書く
- 新聞の題名(題字)を書く
- 発行者を書く(学校名・学年・組・なまえ)
- 記事の見出しを書く:トップ記事の大見出し、サブ記事の小見出し
- リード(前文)を書く:トップ記事の大見出しのそばに書く(低学年はなくてもよい)
- 写真を貼る、イラストなどを描く(別に書いたものを貼ってもよい)
- 写真に一言の説明(キャプチャ)をつける
- 記事本文を書く
- 編集後記を書く
- 各記事の囲み枠や罫線、地色などをつける、模様を入れるなど読みやすい工夫をする
- 見直し(校正):音読とは別に誤字脱字を徹底的にチェックする、音読して読みにくいリズムの文章を直す
できあがったら、自分で点検したあとに家の人や先生にも見てもらいましょう。
新聞の台紙・テンプレート
小学生新聞には、さまざまなテンプレートや作成用紙の既製品があります。
自分で紙に罫線を引いたりPCで作ったりしてもよいですが、便利なものを気軽に使ってみるのも楽しいです。
コンテストに応募する際は、専用の応募用紙があれば取り寄せましょう。
新聞記事の書き方のポイント
いきなり文章を書き始めるのは難しいので、先に簡単な準備をします。
【下書き】
- 調べた事実や伝えたいことを箇条書きにする
- ノートや原稿用紙などに下書きする
決めた字数に合わせて書くには、作文帳やマス目の大きな方眼罫のノートなどが便利です。
【記事を書くポイント】
- 大切なことを最初(先)に書く:重要なこと、結論、結果
- 5W1Hで書く:いつ、だれが、どこで、何を、なぜ、どのように
- 事実を具体的に書く:調べたり体験(観察)した事実を具体的に
- 数字や固有名詞は正確に書く:施設名、人名、物の名前、大きさ重さ広さなどの数字を正確に
- 自分の気持ちを書く:感じたこと、思ったこと、考えたこと、疑問、感動したこと、嬉しかったこと(悲しかったこと)、悔しかったこと、満足したこと
- 実際に見聞きした事実と自分の感想や気持ちは区別して書く
- 読む人にわかりやすく書く:主語と述語がそろっている、短く簡潔に書く
- 思い切って余分なところは削る*コレ大事です
▶あなたの文章・記事のわかりやすさがグンと高まる書き方:6W2Hの設計図 - コミュニケーションBLOG
【記事の見出しを考える】
新聞の「見出し」は、瞬時に記事の「内容を分かってもらうこと」と、読者の「読む意欲を引き出す」役割があります。
- 見出しに疑問形や「!」大袈裟な表現は使わない
- 記事の中身がパッと見てわかるような言葉を選ぶ
- できるだけ短い文章になるように工夫する
- 太く大きな字で目立つように書く
◆レタリング文字◆
紙面全体の親しみやすさと読みやすさを演出するポイントになります。
あちこちに多く使うと逆効果なので1ヵ所に絞って、全体のバランスに注意しましょう。
また、記事の内容にマッチした雰囲気のデザインにすることも大切です。
見出しの周囲の余白を工夫することで、見出しをより引き立てることができます。
- おちつき
- 親しみ
- つながりと流れ
- アクセント
- 余白
「主見出し8字、袖見出し10字」が基本といわれています。
▶小学生新聞の見出しデザイン集【手書きで楽しいレタリング】 - コミュニケーションBLOG
▶新聞の見出し作り 楽しい着眼点【これであなたも見出しのプロ】 - コミュニケーションBLOG
【トップ記事のリード(前文)を書く】
記事本文と見出しが書けたら、トップ記事の「リード(前文)」を書きましょう。(1~3年生には必要ありません)
「リード(前文)」は、記事本文を要約した短い文章です。
見出しよりは少し詳しく、記事のあらすじがわかるように書きます。
▶検索結果で差をつける!選ばれる魅力的なリード文の書き方【具体的な例文つき】 - コミュニケーションBLOG
取材・インタビューの方法
取材やインタビューの際には、事前の準備と注意点があります。
【準備】
- 聞きたいことを下調べしてメモしておく
- 質問を取材ノートに書いておく
- アポイントを取る(電話などで)
【持って行くもの】
取材ノート(メモ)、筆記用具、カメラ(スマ―トフォン)*フィルム、メモリーや充電の確認、ICレコーダーなど。
メモに足りないところがあったら、録音で確認することができます。
【質問のコツ】
- 取材の目的を説明する「~について詳しく知りたいので教えてください」
- わからない時は「もう一度教えてください」「もう少し詳しく教えてください」
- はい・いいえで答えられる質問はしない「楽しかったですか?」⇒✖
- その人の考えや気持ちをたずねる「どんな気持ちでしたか?」⇒〇
【注意事項】
- 時間通りに約束の場所へ行く(遅刻厳禁、早くついたら待つ)
- 挨拶や話し方は礼儀正しくていねいに
- 自己紹介をする(学校名と名前を言う)
- 取材の目的を伝える
- 忘れ物をしない
- アポイントを取るときには学校名と名前を言い取材の目的を伝える
- 録音や写真撮影の許可をもらう
- 説明や話を聞きながらメモを取る
- 取材した相手の名前や年齢、役職を聞く(名刺をもらうと確実)
- 施設の正式名称を確実にメモする
- 最後にお礼を言う(感謝の言葉)
アンケートの取り方
- 質問したいことを整理する
- アンケート用紙を作る:目的、質問内容、回答(回収)方法と期日
- アンケートを配布、協力依頼する
- 結果の集計
- 結果をグラフや表にまとめる
▶【子ども新聞にも使える】誰でも簡単 アンケート作成の基本と便利ツール - コミュニケーションBLOG
写真の撮り方の工夫
基本的には、あまり考え込まずに自由に写真を撮りましょう。
「何を記録するか」という目的を意識してください。
日常生活で旅行などの写真をあとから見ると、意外と撮っていないものや場所があることに気づきます。
欲しい写真を撮っていなかった、という事態を避けるには「何を撮るか」という意識が大切です。
- 写真のテーマを決める
- テーマに合った写すものを決める
- 「もの」を伝えたいときに人物も一緒に移すと大きさの比較ができる
- 人物を撮るときには表情や目線、手や小物の位置、顔の向きも大切
- 正面だけでなくいろいろな角度から、上からや左右からも写す
- 特に大切なところはグッと近づいて撮る
- 欲張り過ぎない
- 写真には簡単な説明文(キャプチャ)をつける
デジタルカメラやスマートフォンでは、あとから手軽に画像の編集ができるので、とりあえず必要な被写体をフレーム内に欠けないように収めて撮ることに集中しましょう
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壁新聞の楽しい作り方
壁新聞は、自由な発想で楽しく分担して作れる新聞です。
記事の重要性に差がないので、テーマが決まっている場合にはブロック型で均等に割り付けることができます。
▶カベ新聞はみんなで自由にのびのびと作る【小学生新聞:学習新聞】
新聞のグループ制作の進め方
学級新聞などグループで新聞をつくる場合、基本的な作業手順は変わりませんが、グループで話し合って役割分担してまとめるという作業になります。
グループには、班、学級、学年、学校、委員会などがあります。
- グループで話し合う
- 役割分担を決める
- みんなでまとめる
【グループで話し合う(企画会議・編集会議)】
まず、新聞の名前を決めましょう。
次に、新聞のテーマと内容を話し合います。
- 新聞の名前
- 新聞の発行日(完成の締め切り)
- 新聞のテーマと内容:もっとも伝えたいこと、記事の内容(アンケート、インタビュー、取材、座談会、インターネット検索、本など)
- 新聞発行までのスケジュール(日程):取材や下準備の期間、記事原稿の締め切り、写真やイラストを準備が完了する日、レイアウトを考える日、下書き完成の日、見出しを考える日、清書の始まりとできあがる日、*先生にチェックしてもらう日、手直しして完成する日)
- レイアウト(割り付け):題字の位置、どこにどの記事を配置するか、見出しの位置と大きさ、記事の文字数
*先生のチェックがない場合もありますね。
【役割分担を決める】
計画ができたら、細かな役割分担を決めましょう。
- 調べる:インターネットや本、取材やインタビューなど
- 資料を創る:写真撮影(説明付き)、イラストや図・グラフなどを描く
- 記事の下書きをする
- 見出しを考える
- トップ記事のリード(前文)を書く
- 題字のデザイン
- 見出しのデザイン:大見出し、小見出し
- 編集後記を書く
- 紙面に清書する
【みんなでまとめる】
- 下書きされた記事、見出し、リード(前文)、完成した記事は、みんなで読み合わせをして修正する
- 掲載するイラストや図、写真などを選ぶ
【記事に署名を入れる】
「リード(前文)」や記事本文の最後に、この記事を書いた人の名前を書いてもよいです。
見出しのレタリングやイラスト作成者の名前を入れるのもよいでしょう。
新聞をつくる目的
小学生新聞は「テーマ」を決めて、その内容を誰かにわかりやすく伝えるものです。
興味のあるテーマについて研究したことをまとめて、「新聞」という表現方法で伝えることが小学生新聞の目的です。
新聞づくりで学べること
- 好奇心や探求心を養う(物事に関心を持って知識を深める)
- 情報をキャッチする能力
- 豊かな発想力
- 疑問を持てる思考力
- 素直に感動する心
- 誰かに伝えたいという欲求(コミュニケーション)
- 伝えるための具体的な技術(調べる・まとめる・書く)
- 新聞づくりを楽しむ
まとめ
小学生新聞は、まず「新聞づくりの基本」を身につけて、制作回数や学年を追うごとに段階的な到達目標をクリアして一定のレベルに達するように学習していきます。
小学生のコンクールの評価基準は、
- テーマ(伝えるポイント)と内容の深まり(視点)
- 読みやすくわかりやすい工夫
- 自分の変化
この3点に絞られるのではないでしょうか。
最近のコンクールの受賞作品は、そのクォリティの高さと発想力に驚かされました。
まるで、その子が目の前にいるような臨場感です。
そして、研究の内容(視点の広がり)が創意工夫されたオリジナルで「自分」がしっかりと表現されています。
時間をかけた継続研究も評価が高いようです。
新聞の題字下の「発行者」に、自分の写真を貼っている作品もありましたね。
決まった「型」を使いながらも、新聞の約束事を守って新しい表現の工夫が盛りだくさんです。
見ていてほんとうに楽しくなってきます。
「誰に何をわかってもらうのか」をハッキリさせることが重要です。
そして、事実を正確にわかりやすく伝えることが新聞の使命であり、他の文章とは大きく異なる点です。
<読まれるよい新聞の条件:3つのC>
CLEAR(明瞭に)・CORRECT(正確に)・CONCISE(簡潔に)
りょうこのつぶやきでした。
では、ごきげんよう。
アイキャッチ画像出典:世田谷でこどもの小児矯正ならすだ矯正歯科医院へ