小さな親切、大きなお世話。何の打算もなしに率直な意見を述べたのに。相手は深く傷つき去ってゆく。こんなはずじゃなかった。
あなたは、そんな思いを経験したことがありますか?
以前は互いに何でも正直に言い合える関係だったはず。そう思っていたのは自分だけ?それは、いつから違っていたのでしょう。「遠まわしに何度も言ったんだよ」「そんなこと、全然気が付かなかったわ」
伝わらない、誤解が生じる、そのメカニズムを考えてみましょう。
ミスコミュニケーションとは
コミュニケーションがうまくいかない状況を、ミスコミュニケーションといいます。ディスコミュニケーションは、コミュニケーションが成立していない状況のことをいいます。
コミュニケーションは、人と人とが知覚・感情・思考などを伝達し合う行為です。伝達はされているけれど、その情報の受け取り方に誤解が生じた場合がミスコミュニケーションですね。
ミスコミュニケーションの3つのタイプ
- 発信者が伝えようと意図したことと違う内容で相手に伝わった場合
- 伝えたことが事実とは違う内容で伝わった場合
- 発信者の伝えたことが、わざとか悪意がなかったかは別として、相手のプライドが傷つけられた場合
ミスコミュニケーション(誤解)が発生する原因
- 発信者の問題
- 伝達方法の問題
- 受け取る側の問題
発信者の伝える内容が、そもそも事実と違っていたり歪んだとらえ方をしていた場合には、当然事実は正確に伝わりません。
また、伝えるメッセージの情報(言葉)が足りない場合も、受け手は正しい理解ができないでしょう。
そして、メッセージの表現力が未熟だったり、互いの価値観の違いなどを考慮できなかった場合にも、予期せぬ誤解が生じます。
さらに、自分の言いたいことを伝えることが目的で、相手のことなどどうでもいい場合には、もっと大きな誤解が生じます。
「正確に伝える」という姿勢がなければ、伝わらないのは当然ですね。
どのような方法で伝えるかによって、受け取り方が変わってきます。
メールなのか、メッセージなのか、直接対面して話すのか、投稿記事にコメントするのか、問い合わせフォームでのやりとりなのか。
それらの時間や回数が不適切だった場合や、ノイズ(他人の反応など)が混入した場合にも、誤解は生じやすくなります。
受け手が最初から受け取る意思がなかった場合には、伝わりようがありません。
理解力、知識、読解力、思考力、推理力、想像力などの能力のレベルによっても、受け取り方は変わります。そして、共通の知識や価値観を持っていなければ、誤解は生じてしまうでしょう。
また、人間の脳の働きも影響しています。
省略と削除、一般化(思い込み)、歪曲(勝手な決めつけ)が普通に働いているので、人は自分の都合でしか理解しないのです。
ミスコミュニケーションの影響
- 発信者と受け手の両方が感情を害する(傷つく)
- 発信者の意図した効果が得られない
- 仕事などの遂行に支障が出る(遅れる、間違いが生じる)
- 事故が起きて人的被害が生じる
- 故障などの物的被害が生じる
1は、広く人間関係でよくあることです。2~5は、職場などでの業務上のトラブルが発生する場合です。
ミスコミュニケーションが起きたらどうなる?
言葉(文字)から推察することがらに、誤解が生じるとどうなるのでしょうか。
例えば、「飲みに行こう」と誘われて「お金がないから遠慮しとくよ」と断ったら。
本当はその人とは行きたくなかったのに、「じゃあ、今日は僕がおごるよ」といわれてしまう。
断るための言い訳が、額面通りに受け取られてしまうと逆効果ですね。
友だちと行ったお店の料理が期待外れで「あまり美味しくなかったね」と素直にいったら、「ごめんなさい、わたしの選んだお店がハズレだったせいでガッカリね」と謝られてしまった。彼女を責めるつもりなんてなかったのに。
社交辞令も、本気で受け取ってしまって迷惑をかける場合もあります。
逆に、単なる社交辞令だと思っていい加減に返事をしたら、嫌いな相手が乗り気になっていたという場合もあるでしょう。
親しき仲にも礼儀あり。
それは、2人の関係においては微妙なものです。
よそよそしくなったり、遠慮がなくなったり。結果として、「そんなつもりじゃなかったのに」という思いがわいてきます。
ミスコミュニケーションが続くと、微妙なすれ違いから気軽に会話することができなくなってきます。
いつの間にか傷つけてしまったり、謝ることができなくなることも。次第に会話が苦痛になり、相手の存在がうっとうしくなってしまう。
距離をおいたつもりが、やがて関心が薄れ分かり合うことができなくなる。
そして、破局。
良好なコミュニケーションを続けるために
コミュニケーションは、多ければいいというものではありません。
時には、適度な距離をおいてみるのもひとつの方法です。
ただし、女性が長く放置された場合は、被害妄想が膨らんでとんでもない暴挙に出る場合があります。
「放置」は手抜きですから、注意してくださいね。理由を説明する、期間の目安を伝えるなど配慮が必要です。
2人のつながりを保つには、相手と同じ活動をする、同じ目標に向かって行動するのが効果的です。
一緒にブログを頑張るというのも、共通の趣味でつながっていることになりますね。
そして、互いの努力や成果を認め合うことができます。尊敬できる存在でいられることが大切です。
会話では、確認と質問をしましょう。あなたが理解したことを伝える。
それは、こういうことなの?と質問する。そこで相違点を修正できればまだ大丈夫です。
ミスコミュニケーションが教えてくれること
気軽に話しかけられない、気を遣ってビクビクしている、諦めて何も言えない、とにかく我慢するしかない。そんな状況は、辛いですね。
ハッキリいって、それはもう潮時でしょう。耐えた先に未来がないのなら、できるだけ傷の浅いうちに軌道修正しませんか?
不要なモノを棄てると、新しい必要なものが手に入ります。
ミスコミュニケーションは、人間関係そのものを浮き彫りにしてくれます。
同じことをいっているのに相手の受けとめ方が変わってきたら、2人の関係を見直す時期なのかもしれません。
以前は苦笑しても聞き流せたことが許せなくなってきたら、もう愛情は冷めているのでは。
決定的な価値観の違いは、親密な関係性を破綻(はたん)させます。
人は、変化するもの。
だから、2人の関係も永遠ではありません。
その時は「突然」訪れるのではなくて、徐々にその兆しがあったはずです。
それに気づかせてくれるのがミスコミュニケーション。
相手が傷ついてしまったとしたら、あなたも同じように傷ついています。
だから、もう我慢する必要はないのですよ。
あなたが笑顔になれる未来を願って。
りょうこのつぶやきでした。
では、ごきげんよう。